ベンチャー企業に入社することになった東大法学部生の日記

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東大からベンチャーというキャリアを選んでいます。自分の勉強も兼ねて、いろいろ有益な情報を発信していきたいと思います。

【最新のTechを知る】オンデマンド貸倉庫「omni」について調べてみた

先日、Tech CrunchOmni(オムニ)というサービスが紹介されていた。日本ではあまり見ないサービスなので、調べてみることにした。

jp.techcrunch.com

Omniとは

Omniとは、一言で言うとオンデマンド貸し倉庫サービスである。要するに、ユーザーは自分の家に置いておきたくないものを、Omniを運営している会社が所有している倉庫にいつでも預け、いつでも引き出せるというものだ。例えば、月に1,2度キャンプをする人は、自分の持っているテントなどのキャンプ用具を倉庫に預けて置き、キャンプの際にのみ用具を引き出せるのだ。

かかる費用はものを預けるのに1カ月単位で金がかかり(ものの大きさによりかかる金が変わる)、引き出す際にも、ものをデリバリーする費用がかかる。ただし、引き出す際の費用は、どれくらい早く自分の元に預けたものを届けてほしいかによって変わってくる。

このビジネスモデルは、「決算が読めるノート」のこちらの記事で書かれていた、「大口で取引されているものを小口でオンデマンドで利用できるようにする」モデルである。

卑近な例で説明すると、ウィスキーの量り売りなどがこのビジネスモデルに当てはまる。今まではボトル(大口)でしか買えなかったウィスキーを、自分の好きな量測ったもの(小口)を、欲しい時(オンデマンド)に買えるようにしたというものだ。

Omniも、ユーザーが自分では買えなかった倉庫(大口)を、Omni側が大きな倉庫を買い、その中のスペース(小口)をユーザーに貸し与えるということをしているのだ。

しかもこのOmni、ユーザーが倉庫に預けたものを友人や同じコミュニティに属する人に貸せるようなサービスを始めることにしたらしい。キャンプ好きなユーザーが、自分の友人がキャンプをする際に用具を倉庫の中から貸し出せるのだ。

これにより、B2Cだけでなく、UberAirBnBのようなC2Cのオンラインマーケットプレイスにもなるということだ。

日本に貸し倉庫サービスはあるのか

調べたところ、日本にOmniのような貸し倉庫サービスは見当たらない。アメリカは日本に比べて土地が広く、芝刈り機や脚立などの工具が家にあるイメージがある。Omniiでは、最も預けられるのが「家庭用品と工具」に分類されるものであることを考えると、そういった日本ではあまり買わないものをメインで預けているのではないだろうか。

日本である似たようなサービスに、「hinata trunk!」というサービスがある。

trunk.hinata.me

簡単に言うと、アウトドア用品を預けておいて、必要な時にキャンプの現地に届けてもらい、また現地から返却できるというものだ。料金は月額で980円となっている。

さて、こちらのサービスだが、実は「hinata」というアウトドア情報のメディアから派生してできたサービスなのだ。Omniがいきなり貸し倉庫サービスを始めたのに対し、こちらはアウトドアメディアでアウトドア好きの人々を囲い、その後アウトドア用品の貸し倉庫サービスを始めたことになる。

少し話が逸れるが、サービスがスケールするかにおいて大事なのは、そのサービスでどういった人を囲えるかと、その人たちからどのような情報を取れるかだと思っている。その意味でこの「hinata trunk!」というサービスは囲った人を最大限活かしたサービスと言えるのではないだろうか。

ものを所有しない世の中になっていく

今後どんどん、ものを所有せずにシェアしていく世の中になっていくだろう。もはや車を所有せずにUberを使えばいいし、中国ではあちらこちらに貸し自転車がある。そういう意味では、貸し倉庫サービスは人の所有しているあらゆるものを貸し借りできるマーケットプレイスになっていくかもしれない。