ベンチャー企業に入社することになった東大法学部生の日記

ベンチャー企業に入社することになった東大法学部生の日記

東大からベンチャーというキャリアを選んでいます。自分の勉強も兼ねて、いろいろ有益な情報を発信していきたいと思います。

VRの現状と今後を自分なりにまとめてみた

最近VR事業に携わっている方から、VRの現状についてお話を聞く機会があったので、VRの現状を説明した後、自分なりに今後VRがどうなっていくか書いてみた。

そもそもVRとは

 

VRとは、virtual reality(バーチャルリアリティー)の略で、日本語では仮想現実と訳される場合が多い。Play Station VRなどで一時期話題になっていて、なんとなくどんなものかは知っている方も多いだろう。

 

要は、特殊なゴーグルをつけることで、仮想の現実に自らが没入したような感覚を得られるもの、と思ってもらえればいい。

 

VRは、まずエンタメ領域から攻めている

VRの現状だが、皆さんの中にも聞いたことはあるが体験したことはない。当然機器も持っていない、という方が多いだろう。各社はエンタメ領域から攻めることで、人々の間でとりあえずVRが親しみやすいものになることを目指している状況だ。

VRがエンタメ領域から攻める大きな理由は、おそらく単純な相性の良さだろう。

仮想現実と聞いてアニメの世界観を思い浮かべる人も多いだろうし、ゲームというのはまさしく仮想の現実に自分を没入させ、主人公になりきるものといえる。

7月から新宿で始まるVR ZONE SHINJUKUのように、大型のイベントで親しんでもらう方法もあれば、まずは携帯に装着して使えるような安価なVRゴーグルで体験できるゲームを発売する方法もある(VR機器には、Play Station VRのような、それ自体がVRの画面になるものと、モバイルに装着することで、モバイルの画面がVRの画面になるものの2種類がある)。

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VRが奪えるのは、「1人で何かに没入したい時間」

さて、このVRですが、個人的には「一般人の生活の一部に組み込まれる」みたいなものにはならないと考えている。VRについて昔から注視していた方からすれば当たり前の結論かもしれないが、一応理由を書かせていただく。

まず、VRであろうとなんであろうと、今の時代は結局、「いかに消費者たちの可処分時間を奪えるか」の戦いであることは間違えないだろう。

そう考えたときに、VRの立ち位置はどうなるだろうか。VRの売りは当然、仮想空間への没入感だ。このことはVRの1つの限界を示している。例えば、Play Station 4では、Play Station VRが発売したがおそらくNintendo SwitchではVRゴーグルのようなものは(技術的に可能だったとしても)発売されないのではないかと思う。なぜなら、Nintendo Switchはコントローラーを分け合うなど、プレイヤー同士のコミュニケーションを重視しており、没入感というのは、コミュニケーションと対極にある概念だといえるからだ。

2人でゲームをするときに、片方がVRゴーグルをつけてしまったら、2人の間でコミュニケーションは生まれずらいだろう。仮想空間に没入してしまっているから、例えば2人で1つのテレビ画面を見て笑いあう、みたいな現象は起きずらいはずだ。

そう考えたときに、VRが奪える時間は、1人で何かに没入している時間、ということになる。コミュニケーションが重視される今の時代に、この時間が1日のうちに果たしてどれくらい存在するだろうか。私たちは1人でいるときさえ、InstagramTwitterで人とつながらずにはいられない。

to C向けでは、VRはコアな層にしか広まらないのでは

ここから考えたときに、結局VRはエンタメ領域の中でも、1人でゲームをがっつり楽しむというようなコアな層(モバイルでゲームをする層がかなり多くなった現在、このような層をコアな層と言っていいでしょう)にしか広まらないのではないかと思う。

上記の解決策の1つとして、仮想空間内でコミュニケーションを生み出すというのがあり、これがcluster.がやろうとしていることかと思う。この試みがどこまで成功するか、個人的には正直未知数だが、cluster.も、最初は仮想空間上でライブをやるなど、かなりコアな層を取ることから始めて、どこまで層を広げられるかの勝負になるだろう。

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to B向けに勝機はあるが、「それHoloLensでよくない?」ってなりそうなサービスも多い

こうなると、to B向けはどうだという話になるが、こちらは勝機があるのではないかと考えている。例えば、1つの店舗にVR機器を置いてそれを顧客に見せるという形ならお金はそれほどかからない。

しかし、よく話に出る、VR空間で会議などはサービスにならなそうな予感がする。それは、VRで会議ができるくらいにまで機器等が進化する間にHoloLensの時代がやってくるのではないかと思うからだ。HoloLensはARの一種で、例えば眼鏡状のゴーグルをかけたときに、そこに様々な情報が映し出される。単純に、B向けであればこっちの方が向いているものが多そうだし、VRが進化するうちにHoloLensの時代がやってきそうだなと思っている。

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おわりに

VRに関してこれが理解を深める一助になれば幸いだ。違う見解も当然あると思うので、意見あればぜひいただきたい。