ベンチャー企業で1年間奴隷のように働いて気づいた、ダメなやつの特徴3選
暇すぎた学生生活から一転、奴隷のように働く生活へ
大学2年のときからとあるベンチャー企業で働くことになった。学生ではあるが、ベンチャー企業でめちゃくちゃ働いた経験をもとに気付いたことを発信したい。インターンをしようと思ったのは特に深い理由はない。たまたま届いた友人から誘われたので興味本位で話を聞きにいこうと思い、応募した。
10倍以上の倍率があった採用面接を経て、採用が決まった。週2回くらい働くつもりが気づいたら週7回勤務するようになった。東大法学部は基本授業に出席しなくてもいいし、官僚や法曹に進むつもりは全くなかったため授業に興味を失い、ビジネスの勉強をしたかった私にはちょうどよかった。
インターネット業界に全くうとかったため、slackやQiitaといったベンチャー企業でよく使うツールにすぐ慣れる必要があった。slackというのはoutlookとチャットを組み合わせたようなツールでベンチャー企業では多く導入されている。slackをスマホにインストールさせられたため、常に通知が鳴り続け仕事が振られ続けた。外を歩くときもパソコンを持ち歩くようになり、とにかくインターンの仕事に気付いたら没頭していた。
とにかく仕事が遅いと怒られた。基本的なショートカット機能はおろかそもそもPCやエクセルにどういう機能があるか理解しておらず、インターネットやパソコンに詳しい意識高いやつらとの差が明確だった。上司や同じインターン生から仕事が遅い、仕事ができていないとプレッシャーをかけられ続けた。
別にインターン先がブラックということでは決してない。時給も一般的な額は支給されるし、その週の分の仕事が終わるのであれば、どの時間に出社してどの時間に退社してもよかった(もちろん最初のうちは仕事が終わらないから週7で働いていたわけだが)。
今では以前よりも仕事に余裕が出てきて、後輩のインターン生たちを統括し、指導する立場になっている。
明らかにわかる。「できるやつ」、「できないやつ」
さて、そうして、インターン統括の立場で新たに入ってくる新人のインターン生たちを指導していると、驚くほどはっきりと「できるやつ」と「できないやつ」の違いがわかるのだ。
いや、正確に言えば、「今はできなくても、今後できるようになりそうなやつ」と、「今もできないし今後もできないだろうやつ」の違いがはっきりわかる。そして、彼らの時給の差は如実に開いていく。
しかも、できるかできないかは学歴とはほとんど相関しない。正直、私がインターンを始めるときは、東大生だしサークルのまとめ役のようなことも一時期していたので、他のインターン生よりも活躍できるだろうと高を括っていた。しかし、自分より下の学年の慶應生がインターンのMVPを取っていたり、コミュ力の高い早稲田生が毎日のように企業からアポイントメントを獲得していたりと、自分より優秀なやつがごまんといることに気づかされた。
今でこそ、業務を人並程度にはこなせるようになってきたが、もともとはそういう「できないやつ」のポジションにいたからこそ、「できるやつ」と「できないやつ」の違いがわかる。
今回は、仕事ができない新人のAさんと、できる新人のBさんを比べながら、ダメなやつの特徴を見ていきたい。
特徴1:データの出し方が雑で、共有工数を多く取られる
働いていると、上司から「このデータ、エクセルでまとめておいて」と言われることがあるだろう。私も新人のインターン生2人に、データをまとめてくれを頼んだことがあった。2人からもらったデータは、以下の2つのような形でまとめられ、私に渡された(データは仮のものを使っている)。
【Aさんのエクセル】
【Bさんのエクセル】
さて、皆さんならこのデータを見たときに、どちらを優秀だと思うだろうか。Bさんのデータは単にきれいであるだけでない。合計人数などは、こちらがデータを必要としている理由まで考えているからこそつけられる情報なのだ。
私も最初のうちはAさんのようなデータを出していて、上司から何度も作り直しを命令されたが、なぜデータを突き返されたのかわからなかった。しかし、先輩のインターン生が出したデータを見て、自分のデータとの違いに愕然とし、セルの固定方法などをググりながらなんとか見よう見まねで、わかりやすいデータを作る方法を覚えていった。
データ出しで大事なのは、共有工数をいかに減らせるかと、上司の仕事をいかに減らせるかという視点だ。雑なデータは、どれが何を意味しているのかもわかりずらくなるし、きれいに直す手間を上司に取らせてしまう。
しかも、意外とこういうガサツさは直しづらい。メールでも誤字脱字が多かったりする。そうすると、外部とのやり取りなど、重要なことは任せられない。
丁寧な仕事は、まずその人自身への信頼につながり、大きな仕事を任せられる第一歩になる。
特徴2:日報がただの感想文
働き始めると、その日の仕事の成果を日報という形でまとめて、社員やインターン生同士が共有する場合が多い。これは私自身も何度も言われてきたことだが、日報にはその日に学んだこと、気づいたことをとにかくひたすら書けと言われてきた。
【Aさんの日報】
だんだんと仕事に慣れてきた。作業が遅いので、もっと効率的に仕事ができるよう頑張りたい。
【Bさんの日報】
- 今日は○○と××を終わらせた
- ○○をしている最中にアナリティクスを見たところ、□□の数値が徐々に下がっていた。
- ~~のせいではないかと思うので、次回出社時にアナリティクスを見て確かめる。
- 全体的に作業が遅い気がするので、各作業にどの程度時間がかかっているのかを計測し、大きく時間を取っている作業を効率化する。
Aさんの日報は、ただの感想文である。Aさんがいったい今日一日でどれくらいの成果を出し、次回以降はどのように成果を出していくかが全く見えてこない。笑ってしまうかもしれないが、この程度の日報を量産するインターン生は驚くほどいる。
一方で、Bさんはしっかりと今日の成果、気づき、問題点と改善点などを書いている。Bさんが今日一日で成長しているということがしっかりとわかるのだ。
この程度のことと思うかもしれないが、誰もあなたの仕事を常に見ていられるほど暇ではない。結局、これだけのことをしましたと自分で発信していかなければ損をするだけなのだ。それに、日報に気づきを毎回たくさん書いていこうとする、当然ながら仕事の姿勢も変わっていく。成果が出ないと、当然日報に書くこともなくなるので、成果を出そうという姿勢が身につくのだ。
特徴3:勤務時間外に自分を磨かない
これは賛否が分かれる部分かもしれないが、事実としてどうしても、勤務時間外にエクセル練習などの自分磨きをする人としない人では、仕事をこなす早さに差が出てしまう。
そして、もし長期インターンを実りのあるものにしようとしている人なら、インターン生という立場だからこそ勤務時間外にこのような自分磨きをしてほしい。
なぜかというと、実りのある長期インターンは、学生に雑用だけでなく社員と似たような裁量を持たせて仕事をさせてくれる。しかし、それは反面、社員と似たような成果を期待されているということだ。そうなったときに学生である自分たちは、勤務時間外に少しでも業務に関連する本の読書やショートカットを覚えるなど、ビジネススキルのアップが求められる。
もちろん勤務時間外にずっとそれをしろと言っているのではない。例えば自分のタイピングが遅いと思うなら、毎日10分は必ずタイピング練習を行うなど、そういう小さな積み重ねが必要になってくるのだ。もしそれができないなら、わざわざ長期インターンに行かないで、家庭教師のアルバイトをした方がよほどコスパが高いだろう。
ほんの少しの工夫で「できるやつ」になれる
いかがだっただろうか。こんなことで差がつくの!?といったようなことも含まれていたかもしれない。しかし、自分自身は小さいことだと思っても、評価する側から見れば大きなことというのはいくらでもある。これから長期インターンをしようと思っている人は以上のことを気を付けてほしい。